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2007/08/22

◆「底値かな。底打ちしたのではないかな」と判断するには、その翌日の相場のスケールが大きなことが必要条件のひとつとなる。値上がり幅(率)が大きく、出来高・売買代金のスケールが巨大であることが・・。今回は、8月17日の値下がり幅875円には底入れの必要条件を満たしている。が、翌週月曜日20日の値上がり幅は459円、出来高は22.4億株に止まる。17日に中勢底打ちしたとはいいきれない中途半端なものだった。日経平均株価は、7月23日に1万8000円台割れで終った後、8月17日安値1万5262円まで一気に下げた。この安値は、昨年8月9日以来1年ぶりの安値水準だ。通常ならば、今回の相場の基点である昨年11月安値1万5615円でとまるべきものだが、中勢底値である昨年6月安値1万4045円を覗きにいく不気味さがあった。

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◆当初、筆者は、ことの発端である米国サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題は、「住宅バブル当時から指摘され続けてきたものであり、日本の住専問題の二の舞にはならない」などと、のんびり構えていた。が、「複雑な証券化ローンが小口化されて投資化に転売され、思わぬファンドが破綻するなどその闇大陸の規模が不明であり、損失規模が見えない」ということに不安感が募る。そして、「超低金利が続く日本円で資金を調達、リスクの高い高金利国で運用する円借り取引(円キャリー取引)をしてきたヘッジファンドが、破綻の危機を迎え、円借り取引を解消し、円を買い戻す動きが広がり」、日本円は一転円高に振れていった。オーストラリア首相は「すべての始まりは、日本の超低金利にある」といい、金利の是正を迫る。日銀が利上げを急いだ背景もここにあった。■日本株は、企業の今期業績の円安に伴う増額修正を期待して買われてきた部分がある。が、今期企業業績は、下ぶれさえ指摘される状況とあって、株式市場の気勢は上がらない。まして、海外投資家が市場をリードしてきたのだから、絵に描いたような底入れパターンにはならなかった。

◆MUTOH(7999)のように、8月10日に269円の今年二番底を打った日に今期業績の大幅増額発表。信用需給ひっ迫などを背景に一気に逆行高している銘柄があるが、ここは、好業績、材料株でしのぐか、長期注目株の下値拾いに徹すべきであろう。●富士通ゼネ(6755)は先に増額修正を発表したが、海外エアコン好調なうえ国内も梅雨明け後の猛暑背景にもう一段の増額、400円絡みの保ち合い上放れが期待される。●津田駒(6217)も同様で、75日移動平均線が下値サポートラインとなっている。●パイロット(7846)も同じく8月の増額修正組。ヒットランキング入りした人気のボールペンもあり、株価は21日の上場来初の10万円台達成でこの日は利益確定売りに急反落したが、26週線及び52週線にサポートされており、もう一段上の本格相場が期待される。●立飛企業(8821・東2)は7500円まで値を飛ばした後の調整が続くが、兄弟会社の新立川(5996・東2)は3400円前後の1991年以来の高値水準で強張っている。両社ともシンガポールのファンドが5%超の大株主となったことが今月判明した!

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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