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2011/06/13

◆6月第3週初め、日経平均は前週末比66円安の9448円と5日ぶりに反落。10日の米国市場では、世界的な景気減速感からNYダウ、S&P500種指数とも6週連続安し、NYダウは2002年10月以来ほぼ8年ぶりの長期連続安となった。欧州株も下落。商品市況も下落。NY原油先物が4日ぶりに反落し1バレル100ドル割りこんだ。この流れにアジア市場でも免れ難く、そして、時間中に発表された日本の4月機械受注は増加予想を裏切り前月比3.3%減と下ぶれた。世界景気減速感が一段と強まり、国内では復興への足取りは重く原発懸念の声が広がるなか、売買代金は1兆円に満たず昨年12月29日以来の低水準にとどまった。出来高14.3億株は5月30日に次ぐ今年2番目の低水準だった。■前週末の当欄では、NYダウは長期相場を見る代表的な200日移動平均線に対し、500ドル強の余裕を持っているとしたが、前週末にその内の172ドルを失ってしまった。5月2日高値に向かっていた時から7.2%の下げ。2月から3月にかけての6.7%を上回った。NY金、原油もピークから下にあるが、株式市場に流れ込んでいる投資額に比べれば、はるかに小さな規模であり、機関投資家の懐具合は株式市場の動向が圧倒的に左右する。もっとも、一気に下がるほど単純ではないだろう。上値が切り下がっていくパターンから免れることが出来るかどうかに注目したい。

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◆前週末に発表したトヨタ(7203)の今3月期連結営業損益予想は前期比36%減の3000億円だった。上期が1200億円の赤字、下期は4200億円の赤字予想とし、V字型回復を見込むとした。しかし、アナリスト平均4098億円を下回ったとされたうえ、米国をはじめとした世界景気減速懸念から投資家の買い意欲を呼び覚ます動きとはならず、輸送用機器関連は値下り上位となった。トヨタ株は80円安の3220円と反落、200日線を1週間ぶりに下回った。3月15日の暴落時以来、200日線及び52週線攻防戦が続いており、概ね3200〜3400円の小幅往来は今週で3カ月に及ぶ。上下放れた方に付くべきであろう。

◆そんななか、当欄期待の銘柄のなかで元気印はウェザニュズ(4825)。この日は2107円まであり01年以来10年ぶりに2100円台を回復。震災による原発事故や停止中の原発稼働が難しくなるなか、全国レベルで夏場の電力懸念が高まっており、民間の気象情報で世界トップの同社が提供する天気・気温情報に注目が集まっている。同社では、携帯端末を利用した個人向け気象情報の会員が増加しており、5月からは、携帯を使って個人情報を集め、電力使用率やピーク予想などを細かく提供している。加えて、前週末の米東部で記録的な猛暑を記録など、穀物価格動向を探るうえで商社などから世界の天気情報を求める動きが広がっているという。11年5月期決算発表は今月27日を予定。来5月期も連結経常利益2ケタ増継続を打ち出すか注目される。■後発医薬品大手の沢井薬(4555)が昨年8月以来の高値で上場来高値9100円が視野に、東和薬品(4553)も年初来高値を更新。日本の医薬品にあって拡大する数少ない市場として後発薬市場に外資が参入し始めたなかでは後発薬関連株から目を離すことは出来ない。●また、新興・後進国などの結核蔓延防止に向け国連機関と動く栄研化(4549)もチャートが煮詰まる。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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