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2007/11/01

◆11月相場は続伸スタートとなった。米国株高や円安場面を背景に好決算発表組の主力輸出関連株が人気となり、NY原油高から石油関連株も買われ、時価総額上位30銘柄中下げたのは5社に止まった。が、ここまで中勢上昇相場を牽引してきた海運株は市況の伸び悩みから乾汽船(9113)など中堅が値下がり率ランキング上位に並び大手も続落、TOPIX業種別株価指数で2日連続値下がり率トップとなった。引き続き、発表された決算の良し悪しにより、ストップ高組、ストップ安組とはっきり明暗が分かれるきわめて直線的あるいは目先的投資行動が、投資家心理を揺さぶっている。値上がり銘柄数は1046を数えたが、日経平均株価は短期的な以上の動向をはかる25日移動平均線を上回ることはできなかった。■乾汽船は6連敗だ。これまで海運市況上昇を背景に業績を飛躍的に伸ばしてきた海運セクターだが、1日付けの日本経済新聞朝刊が、「大型ばら積み船の用船料が反落。バルチック海運指数も30日に9日ぶりに低下した」と伝えたこともあって、先週から当面の利益を確定する売りに急速に値を消しはじめた流れにつく格好で売りが膨らんでいった。ただ、10月上旬から先行し下げ始めた新日鉄(5401)など鉄鋼セクターに続き10月中旬以降下げてきた住友鉱(5713)など非鉄株に続く格好で、それまで、動きが鈍かった、自動車、電機などの「輸出株」の範疇に入る銘柄群が円高一服感もあって「これまで買われた株を売り、売り叩かれた株を買う」海外勢の「リターン、リバーサル」の動きが続いているもの。もちろん、自動車関連各社や大手電機の好業績も背景にある。

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◆前日急騰し上場来高値を更新したばかりの当欄強気銘柄である名村造船(7014・大)がこの日は一転300円安するなど高値波乱となった。海運株急落に足元をすくわれた格好だ。この分だと、業績増額修正されても、利益確定売りにおされそうだ。いったん利益確定売りも考慮すべきか。●厳しいのはウリ気配から500円安のストップ安比例配分で終ってしまったタムロン(7740)だ。当欄では、デジタル一眼レフ時代の「団塊の世代」定年後消費需要が業績を押し上げるとして、ここまで当欄注目株の一角を担ってきたが、10月31日発表の2007年12月期1〜9月期連結業績で、営業利益が前年同期比34%増と好調裏に着地したものの、通期業績予想を据え置いた。ここまで、増額修正期待を背景に買われてきた経緯があり、失望売りにつながった。いったん下げ処を見極めてから買い場を探そう。■自動車関連では当欄で中期成長期待の大型株として注目のデンソー(6902)が5連騰。中間経常益の6期連続最高更新を買ったものだが、トヨタの決算(15日に発表予定)発表までは突っ込み買いで対応したい。●アイシン精(7259)が上場来高値を更新した。通期業績予想の大幅増額修正発表が好感されたもの。リスクはトヨタが主力の米国市場で消費不振の影響を受けること。

◆1日、アジア市場の星取表は5勝8敗1休場、主力市場で上げたのは日本と香港のみ。続く、欧州、米国株式市場が急落しており、2日の日本株は利益確定売りなどが先行か。東芝プラシス(1983)、太陽電池関連のアルバック(6728)など好材料・好業績・好チャート株の押し目買いを推奨。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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