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2011/08/22

◆8月第4週初めの日、日経平均は前週末比91円安の8628円と4日連続安し、一時、東日本大震災直後に大暴落した3月15日以来の安値を付けた。TOPIXでは8.85ポイント安の742.84と4日続落し、終値としては2009年3月16日以来2年5カ月ぶり安値となった。前週末、モルガン・スタンレーが世界成長予想の下方修正を発表するなど、世界経済の先行き不透明感がリセッション懸念や、欧州銀行株への警戒感が重しとなり欧米株はさらに急落した。一方、逃避資金が流入しているNY金先物は7週連続高し過去最高値を更新した。円はといえば、前週末のNY外為市場で、一時1ドル=75円95銭まで上昇し3月17日につけた戦後最高値を更新した。東京外為市場では4日ぶりに反落したが、76円台後半となお高値は目前。アジア各市場も大半が続急落。東証1部市場銘柄の74%が下げた。自動車・機械など輸出関連、資源・エネルギー関連株など景気敏感関連株が下げ幅を拡大、1部市場の4分の3の銘柄が下落。TOPIX、日経平均とも後場はジリ貧基調となった。かつては、こんな時、「森(全般相場)を見ず、木(個別銘柄)を見よ」という言葉があったが、東証売買シェアの3分の2を海外投資家が占め、超高速取引システムで売買を執行される状況下ではやはり難儀な話か?

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◆ファナック(6954)は8月1日に上場来高値1万5420円を付けたばかりだが、きょうは1万1610円まで25%の下げ、6月9日の直近安値を割り込んだ。東日本大震災直後の3月18日以来5カ月ぶり安値で、200日移動平均線に続き、52週線も大きく割り込んでしまった。ソニー(6758)や任天堂(7974)がかつての輝きを失うなかも、なお、世界の機械シーンでNC装置と産業用ロボットで断然強みを持つ企業と注目される同社であり、海外機関投資家にカバーされてきた。が、世界景気後退(リセッション)懸念が高まるなかでは、投資家が持株処分もやむをえない。しかし、その存在感は、売り急ぎが終った場合の急速なリバウンドも期待させる・・。テクニカル面では、リーマン・ショック時の08年10月安値4800円を大底とした52週線沿いの上昇基調にある。が、世界的なリセッションからの立ち直りにむけ各国が有効な政策を打ち出し得ない限り、08年安値から3.2倍化した後、今週で4週目となるうえ、前週末に52週線を割り込んだここからは、やはり、「突っ込み買い」よりも、「戻り売り」に変わってしまったのかを見極めるべきであろう。同社の存在感は、売り急ぎが終った場合の急速なリバウンドを期待させる。が、52週線とのマイナスかい離が一段と拡大するとなれば、失望を呼ぶことになりそうだ。52週線水準でどこまで持ちこたえるる?注目したい。●また、当欄注目のサイバー(4751)も先々週に52週を割った後、前週にかけ切り返したが、30万円処の上値ネックラインはいかにも頑強。まだ、52週線に余裕はあるが、需給面の悪化が上値の重し?●医療機器、設備の一括販売を手がけ、病院新設や移転支援のほか老人ホームも運営するシップHD(3360)は、4日に株式分割落ち後高値1873円を付けた後、全般安もあって上値が重くなった。が、きょうは反発。野村証が19日付けで業績予想を増額し、目標株価を2500円に引上げたことが材料視された。ここから、全般安時のつれ安場面からうって出るべくウォッチングを開始。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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