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2006/03/16

◆「節分天井、彼岸底」(2月上旬高、3月下旬安)とは、多くの機関投資家などが年度末の3月を控え積極的にポジションを取りにくくなることから、いわれてきた言葉だが、結果がそうなったことはそんなに多くはない。でも、今年はそう思えてくる。NYダウは連日で2001年以来の高値の壁をよじ登っているが、東京市場は年末年始以来の調整相場のなかにあるからだ。まして、マザーズなどの新興市場は東証1部市場以上に苦戦が続いている。きょうは「金利敏感株の銀行、不動産株が大きく値を下げた」という解説が聞かれた。消費者金融株はきのうの国会答弁で明治の先人と違い借金などに全く無縁で悠々自適の与謝野金融大臣が「高い金利をとる消費者金融が大手銀行と一緒にテレビコマーシャルをやっているのは気に食わない」といったとかで、クレジット関連株とともに大きく売られた。売られた銘柄・セクターをいちいち取り上げてもきりがない。なにしろ、TOPIX33業種株価指数で高かったのは3業種(ガラス・土石、精密機器、海運)に過ぎないのだから。また、「欧米市場と比べて日本市場のPER割高感が目立つ」、「長期金利がさらに上昇した」との指摘もあった。前者は海外高、日本株安の時にいつも出てくる説明文であり、後者は、金融緩和政策解除決定時から予想されている状況に過ぎない。いずれも、最初は市場を揺さぶるが徐々になれてゆき、織り込み済み・調整終了という言葉に置き換わるとみてよい。米国株は昨年いっぱい横ばいが続いた。一方、東京市場は5月から上昇基調に転じ、8月から第2エンジンに点火し猛烈高した。3〜4カ月の調整はあって当たりまえ。しかも、異常時の金融緩和政策をようやく解除し、普通の金融政策にゆっくり戻ろうとしているのだから、きしむ音が聞こえてくるのは当然であろう。我が家の住宅ローンだって、今まで超低利の恩恵を受けてきたが、金利が引き上げられのは目に見えている。その分消費などに回る分が少なくなる。が、企業業績伸長に伴う給与・夏冬の一時金アップも予想される。不動産・マンション関連株は、借入金の多さからを弱気するのではなく、昨年来の相場で、デフレ脱却関連の本命銘柄として(不動産株価指数は昨年5月安値水準から今年2月高値まで)2.26倍に買われたのだから、当分、調整が続いてもふしぎないと見るのが正しいのではないか。といっても本欄は、直近で、マンションの藤和不(8834)、ショッピングセンター開発・運営のダイヤシティー(8853)を個別で買い推奨し、続落の憂き目にあっている。今の流れでは、23日前後に予定されている「公示地価」の発表で、「好材料出尽くし」なんて事になりかねない。それでも、ダイヤシティは200日線(きょう現在4198円、1日10円前後上昇中)を意識したところから拾っていきたい。マンション関連企業の業績も好調が持続すると見たほうが良い。■きょう発売の「会社四季報」でキーワード「絶好調」で検索すると36銘柄がピックアップされ、本欄推奨銘柄では1銘柄あった。半導体商社のイノテック(9880・ジャス)だ。記事は、「絶好調。収益柱の設計ソフト、HDDが大増進。自社製テスターも本格寄与し大幅増益。ただ、減損で純益減退。07年3月期は設計ソフト、HDDの高成長続く。不振のデバイスも液晶TV用が上向く。減損一巡し純益大幅増。連結配当性向20%、増配余地」とある。中期強気継続。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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