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2015/08/14

◆日経平均株価は前日比76円10銭(0.37%)安の2万519円45銭と5日ぶりに反発した。13日のNYダウは4日ぶりに小反発もSP500種、NASDA指数は小反落とまちまち。円は海外で下げるも、東京市場では対ドルで反発して推移。利益確定売りが上値を抑え、一方、好決算銘柄を拾う買いが下値を支える格好で、2万550円を挟みもみ合う展開が続いた。原油、金、ニッケルなど資源価格安やバルチック海運指数続落展開を受け海運、鉄鋼、鉱業、非鉄が反落し石油石炭は反落。証券、銀行は続落。出来高は20.5億株と7月29日以来の低水準と夏休み気分・・。

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◆なかで、人気となったのは当欄でも紹介してきた日本製紙(3863)など紙パルプ関連株。この日の日経新聞朝刊が、「炭素繊維に近い強度と軽さを持つ植物由来の軽量素材であるセルロースナノファイバー(CNF)を量産化する。日本製紙が2016年度に日本初の量産ラインを稼働させる」と報じたことが買い材料視され紙パルプ各社株に買いが向かった。 同社は、これまで化成品・機能性材料を通じて、溶解パルプをはじめセルロースやリグニンといった木材の成分を無駄なく利用する多くの産業用素材を生み出してきた。木質資源の新たな可能性開拓にむけ、ナノファイバーやバイオエタノール、バイオプラスチックなど、バイオケミカル分野の素材開発を推進している。中でも最も力を入れているのがCNFの実用化に向けた取組みであり、国内での開発リード役となっている。 CNFはパルプを幅4ナノメートル(10億分の1メートル)まで解きほぐした超極細繊維。温度変化に伴う伸縮はガラス並みに良好であり弾性率は高強度繊維で知られるアラシド繊維並みに強いほか、透明性やガスバリア性など優れた性質を備えている。自動車用や電子機器用の樹脂補強材、食品・化粧品等包装材など様々な産業用素材として利用が見込まれている。 株価は大幅続伸し6月最高値2249円にあと41円と迫る大幅続伸。26週移動平均線沿いの上昇基調にあり、今期3割前後の大幅経常利益で割高感も乏しい。飛びつき買いがあれば上値クリアは後ずれしそうだが、年初来26週線上の上昇基調にある。PER17倍台前後のここは割高感もないことから、日本製紙をなおチョイスし中期強気姿勢でもたつきシーンを拾っていきたい。

◆また、5月急騰時に何度か記してきたセーレン(3569)は3日ぶりに11日に付けた2007年1月以来8年7ヵ月ぶり高値をした。12年11月安値457円から26、52週移動平均線沿いの上昇基調にある。ITを活用した染色技術に強みを有し自動車シート材や衣料を展開する。7月31日に今16年3月期連結業績予想の増額修正を発表した後、ここまで上げて来たもの。売上高は前期比2.7%増の1066億円へ、営業利益を70億円から同23.4%増の81億円へ増額した。国内では、主力の車両資材では革を超える新素材「クオーレ」や瞬間消臭機能を有す「イノドール」、防汚機能の「エラッセ」など快適性を追求した高付加価値商品が伸びている。海外では自動車販売台数が好調に推移している米国や外資系メーカーの新規車種獲得が進むブラジルなどで売上を伸ばしていることが寄与している。引き続き、押し目は拾っていきたい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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