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2011/05/25

◆日経平均は前日比54円安の9422円と反落。終値としては3月18日以来ほぼ2カ月ぶり安値となった。24日の欧米株式市場では、まず、南欧の財政深刻化懸念にも、欧州はドイツ企業の景況感が市場予想を上回ったことをハヤシて主要市場が3日ぶりに反発した。米国では景気減速懸念が忍び寄りつつあるなか、手掛かり材料が乏しく3日続落と明暗が分かれた。それ以上に厳しいのはアジア市場。高成長の反動で高インフレが続くなか、中国、インドなどの利上げが止まらず、南米・ブラジルも同様。株式相場はいずれも厳しい状況にある。この日もアジアでは、「6月にも利上げあり」の見方から中国経済減速懸念で上海総合指数は5日続落、アジア株は23日に続き主要市場がそろって急落した。そして、日本。6月22日の今国会会期末が迫るなか政治混迷は続き、震災復興の筋道は震災から2カ月以上たった今も、一向に見えてこない。政局混迷が景気の一段の下押しリスクとなって顕在化しつつあり、日経平均の底割れ懸念は高まった。

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◆コマツ(6301)は、中国が利益を稼ぎ出すとの市場の見方に対し、米国では引き続き業績は好調だとの会社側の声に市場は耳を貸さず、2日に付けた08年8月以来の高値2926円から前日には2347円まで下落、3月相場で下値ネックラインとなった200日線攻防戦がまた始まった。同様に日立建機(6305)は3日連続で年初来安値を更新し、死守すべきマジノ線である昨年7月安値1572円に迫っている。

◆そして、ポイントはやはり米国。第2次量的緩和策(QE2)は6月に終了する。米国発の過剰流動性が世界の株式、商品、そして景気を後押しし続けてきた。ただ、前回のFOMCで償還となった国債、住宅ローン担保証券(MBS)は再投資すると表明しており、なお、緩和政策は継続する。「直近では、商品、株式相場も調整色を強めている。が、突発的な悪材料の表面化でファンドなどの自己崩壊が連鎖的に起こらない間は、リーマン・ショック時のような瓦解はない」との見方があるが、さて、どうか・・?米株式市場では、「5月に売って、立ち去れ」との格言もある。当欄は、基本は「慎重・戻り売り」姿勢とし、それでも、中勢上昇基調にある好材料株、業績急変期銘柄などを引き続きピックアップするとしよう。ただ、当欄が掲げる銘柄は、チャートが悪化し上昇期調が終了しない限り、「押さば、買え」を継続するため、同じ銘柄が何度も登場することに飽きないで欲しいものだ。

◆4月高値30.2万円を中心にした「三尊天井」形成懸念があるサイバー(4751)は権利落ち換算でまだ06年1月の最高値35.1万円を上値に残している。上値挑戦の形、あるいは、底打ちに形が見えるまで、いつになるかは不明だが、まず、4〜6月期(今9月期第3四半期)決算動向が伝わる頃まで、通期業績予想の増額修正期待を持ちウォッチングを継続しよう。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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