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2006/11/15

◆14日付けのメリルリンチ日本証券のレポート、「11月のファンドマネジャー調査」によれば、「日本株への姿勢が明確に悪化した」。この日の東京市場が前日のGDP発表などなかったかのように、<意気地なしの相場>に戻ってしまった背景を再確認する意味で紹介しよう。同レポートでは、「日本企業の業績不振を背景に、世界の投資家の日本株に対する姿勢が悪化した。日本企業が最も明るいと考える投資家は04年12月以来のマイナス(13%から−1%に急減)に転じた」と指摘し、「日本株のPERが他市場よりも高く、最近の国内経済指標があまりよくなかったうえ、中間決算発表で企業の業績予想が慎重だった」ことが世界の投資家の日本株への姿勢を悪化させたという。<ただ、世界の投資家の日本株への姿勢が大幅に悪化したわけではないので、国内経済指標の回復や企業業績の増額修正があれば、日本株への姿勢が改善しよう>と結んでいる。

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◆確かに、前号で指摘したように銀行株はデフレ終焉→利上げ→利ざやの改善→業績伸張を今春にかけ買った。明日、福井日銀総裁が記者会見する。市場では、12月もしくは年明けの1月利上げ説が論じられている。日銀総裁がどう語るか注目されるかを世界が注目しているのだ。海外からは、「14日、S&P500種指数が6年ぶりに高値、ナスダック総合指数早く5年ぶり高値。香港ハンセン指数は初めての1万9000ポイント回復」と勇ましい。インドは先週、過去最高値を記録している。

◆日本株だってすごいのがある。長期上昇基調が続いた日写真印(7915)はきょうも一時ストップ安に売られ、10月26日の上場来高値5540円から2030円下げとなる3510円まで37%の暴落となっている。今3月期連結業績予想を減額修正し経常利益が2ケタ成長から1ケタ台の伸びにとどまる見通しとなったことが背景だが、長期にわたって強気で買ってきただけに、失望売りが激しかった。●一方、きょう16年ぶり高値に買われたのは、歳末商戦でソニーに圧勝期待の買いが入った任天堂(7074・大)。昨年8月からの上値追いが続いており、止まりそうにない。●トヨタ(7203)もまたきょう、8日に付けた上場来高値に顔合わせした。マツダ(7261)、カシオ(6952)や本欄注目株の島津製(7701)・・と右肩上がりのチャート銘柄は結構多い。

◆なかで、菱鉛筆(7976)は91年7月以来となる1617円の高値まで買われた。2度の今3月期業績予想の増額修正を発表、予想1株利益が70円台から90円台に上昇したことが引き続き買い材料視された。●ラサ工(4022)は予想通りの業績増額修正となり、13日安値457円から510円まで回復してきた。300ミリウエハ再生事業拡大への期待感がここから株価を押し上げることになりそうだ。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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