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2010/09/15

◆15日の東京株式市場は、直近相場とは様変わりの活況展開となり、日経平均は前日比217円高の9516円と急反騰し、TOPIXも急反発した。14日のNY為替市場で、米景気減速−金融緩和観測からドルが対円で15年ぶりに83円台を割り込み、NY金先物は過去最高の1トロイオンス=1276.50ドルを付けた。一方、NYダウは小幅に下げ、S&P500種指数も小幅ながら5日ぶりに下げた。■海外での円高・株安の流れを受け、東京為替市場でも8時過ぎには1ドル=82円88銭近辺を記録。1995年5月31日以来の円高シーンとなった。日経平均も売り先行で始まった。そして、変化がおきたのは10時30分を過ぎてから。政府・日銀が6年半ぶりに円売りドル買い介入を断続的に実施。円は15年3カ月ぶり高値から急反落に転じ、14時頃には85円10銭台下げた。日銀が円売り介入で市場に供給した資金を吸収せず市場に放置する方針を固めたとの一部報道があったことも、円売りドル買いが膨らんだという。売り先行で始まった輸出関連株は一気に急上昇に転じ、値上がり率上位を占めた。そして、TOPIX業種別株価指数は全33業種中31業種が上げ、空運が変わらず終わり、石油・石炭1業種が0.03%のわずかな下げとなったにとどまった。前日、民主党代表選で円売り介入を強く語った小沢一郎前幹事長が敗れ、菅首相が勝ったことを受け、強力な円売り介入は後退したとの見方から円が買い進まれた分、反対売買が急となった。1ドル=82円台に買われた後、「82円台が防衛線」(仙谷由人官房長官)とばかりに、日銀の断続的な買いが入った。1日に82円台から85円台へと押し返したことで、きょうの作戦は成功した。もっとも、決意はともかく、攻防戦はあしたからが本番となる?

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◆輸出関連株は、4月高値から世界景気後退懸念と円高による今期業績への懸念から大幅に下落した。戻り相場が大幅となっても不思議はない。しかし、テクニカルな上昇余地分上げた後は、円安に向けた断続的円売り介入によって、円高基調が明らかに転機を迎えたと判断できる状況を共有するまで、反落リスクが付きまといそうだ。■それにしても、「景気の二番底は、先進国では日本以外に陥る恐れはない」とOECD(経済協力開発機構)グリア事務総長が14日に見通しを示したというが、海外勢を中心としたこの円高信仰はなんなのだ!単に、商売上だけ?■日経平均先物絡みの銘柄として注目してきた京セラ(6971)は52週移動平均線を回復し、一時26週線を回復する場面があった。ほぼ1カ月ぶりに1万円台と26週線を回復したファナック(6954)とともに引き続き注目していきたい。ただ、テクニカル面は、リバウンド狙いの京セラよりも、リーマンショック後、52週線に下支えされた「戻り基調」にあるファナックを注目したい。4月の年初来高値に対し6月高値が二番天井となっており、「三角保ち合い」がまだ煮詰まっていないことは懸念材料だが、中国、アジアの設備投資関連として注目度が高いことは魅力的だ。

◆思惑株のセゾン情報(9640)は急反落した。8月16日安値からの連日高とあって、輸出関連株への乗り換えのために目先資金が利益確定売りを出したか?一転、下げとなると急?生半可な買いは止め、ウォッチングを継続したい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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