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2010/07/28

◆日経平均は前日比256円高の9753円と急反騰した。終値9700円台回復は14日以来9日ぶりのこと。27日の欧州市場は、UBS、ドイツ銀の大手銀行の好決算発表に加え銀行監督委員会が銀行の資本・流動性規制案を一部緩和したことを好感し、銀行株が牽引し欧州株は6日続伸した。ユーロが対円で上昇たことを受け、東京外為市場で円が対ドル、ユーロで4日続落し、前日にキヤノン(7751)が発表した1−6月期連結税引前純利益(経常利益)が前年同期比3.5倍増と大幅増益だったことが追い風となり、輸出関連セクターや金融関連を中心にほぼ全面高商状となった。TOPIX業種別株価指数は全33業種中32が上昇するほぼ全面高商状となった。27日の米国市場は、7月の消費者信頼感指数が低下したことが嫌気されS&P500種指数が4日ぶりに下げたものの、NYダウが小幅に4日続伸しており、日本株には中立要因となった。また、アジアでは今年4度目の公定歩合引き上げを発表したインドを除き、中国など東アジアの株式市場から東南アジア市場まで上昇したことも、病み上がり状況の日本市場にはいい追い風となった。前日の日経平均の上下幅が2日連続で50円〜70円の小幅にとどまり、様子見気分が強くなっていたことがかえって反動バネとなり、円安転換、企業業績好調を背景に買い戻しやリバウンド狙いの買いを誘ったといえそうだ。

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◆当欄では、デフレ下で内需縫による景気・企業業績リードを想定するのが難しいことから、日本株相場の決定権は米国、中国など新興国にありとしてきた。欧州各国の財政危機、金融機関の資本増強問題が一息ついている間に、海外のゆり戻し相場がどのくらいの規模で続くかが読めないのは難点だが、円相場が実力以上に過大評価されなければ、ここまで円高に縛られてきた輸出関連株の見直し相場はそれなりに期待してもいい?といっても、日経平均の1万200円台には6月相場で上値ネックラインとなった52週移動平均線に加え26週線が控えている。これを突破すれば別だが、若干上回ったところでエンストするようでは、先が思いやられる。■これまで何度か記したが、今回の下げ相場で、下値サポートラインが生きていた銘柄に引き続き注目したい。52週線が下値サポートラインとなり、きょう上放れたソフトバンク(9984)やスクリン(7735)、タクトホーム(8915)、メッセージ(2400)、マクドナルド(2702)などだ。●注目は戸田工(4100)。4日続伸し年初来高値を更新した。5月以降、52週移動平均線に沿ったじり高基調が続いてきただけに上値トライに弾みがつく?同社は酸化鉄最大手だが、6月に発表した2010〜12年度の中期経営計画では、ハイブリッド車や電気自動車向けリチウムイオン電池の材料事業を大幅に拡大し、売上高500億円、営業損益27億円の黒字(前10年3月期は5億円の赤字)を目指す。4−6月期連結決算は8月9日の発表予定だが、電子材料の回復やリチウムイオン電池向け正極材料の数量増を背景に、経常黒字転換が期待される。株価は、昨年10月に環境関連株人気に乗りほぼ14年ぶり高値を付けた後、調整相場が続いてきた。しかし、16日現在、信用売り残株数154万株に対し買い残は120万株となり、貸借倍率は0.78倍と売り長に転じてきた。需給面の好転も後押し、個人投資家などの注目度が一段と高まる?ロスカット価格決定後の打診買いは可。 

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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