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2010/08/27

◆8月第4週末の日経平均は前日比84円高の8991円と続伸。TOPIXも続伸した。前引け時点の日経平均は77円安の8829円だった。が、昼過ぎに、直嶋正生経済産業相が閣議後の会見で、菅直人首相が円高対策を発表すると発言したことをきっかけに、直近で大きく下げていた輸出関連株を中心に幅広く買い戻しなどが入り、後場の始まりとともに上昇に転じた。大引け前には9021円と3日ぶりに9000円台を回復する場面もあった。朝方は売りが先行、25日に付けた取引時間中の今年安値8807円に肉迫する場面もあった。■26日の海外市場では、ドルが急落し、NYダウは7週間ぶりに1万ドル台を割り込んで終った。米失業保険申請件数の減少を買う動きで始まった。しかし、スペインから欧州債務危機のぶり返し懸念がひろがったうえ27日に予定されているバーナンキ米FRB議長のシンポジウムでの発言を警戒したことなどが売りを誘った。 もっとも、菅首相は円の急激な変動には円売り介入も辞さないとの発言にとどまった。なお、白川方明日銀総裁は26日から30日まで米国でのシンポジウムのため出張中で、総裁の帰国後に首相は会談する予定という。しかし、もし、日本の単独の円売り介入が断固たる円高対策措置だとすれば、つまらない結果しか生まず、市場の好反応はすぐに冷めてしまうことになろう。そうすると、第2、第3の円高対策が必要となる。それにしても、来週14日の民主党代表選の投票日で、経済オンチといわれる菅首相と、古クサイイメージしかない小沢一郎前幹事長の戦い・・。見たくないものだ。

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◆さて、きょうは後場上げに転じた日経平均であるが、筆者は、「通常、大底から脱出し上昇基調に転じる場合いは、初速が大事」といわれてきた。しかし、09年3月に二番底を付けた後や同年11月末の底入れ反転時とも、底から飛び出した日、そして、その後1週間の出来高が、極端に増加したわえではない。きょうは前日比20%増にとどまった。週足チャートでも。陰線幅の156円に対し、下ヒゲは184円と短かかった。倍以上の下ヒゲとなれば、来週の相場に大きな反発が期待できるのだが・・。ここから読み取れるのは、為替市場で円の反発力が弱かったの同様に、市場は、政策当局の円高対策に大きな期待を持ち合わせていないということか。それに、なぜNYダウは頑強なのかとの問いに対する答えが、米国景気は二番底を探りにいきかねない状況下も、過剰流動性に後押しされた、見たくないマイナス指標は控えめに評価し、好転指標は買いかぶって評価をする過剰性バブルを背景とした、単なる「いいとこ取り」だとすれば後から襲うしっぺ返しが怖い・・。

◆直近で記してきた基本姿勢、中・長期線に下支えされた、業績面で不安の乏しい、好材料を持つ銘柄を引き続き買いもしくは買いウォッチング銘柄として推奨していきたい。検体検査機器大手のシスメックス(6869)が後場急反騰した。52週線に下支えされ上値を襲う構えにあり、10年4−6月期連結経常利益は前年同期69%増と大幅増益だった。中国事業では好採算の検査機器用試薬の消費が伸びてきたことから、売上高・営業利益とも前年同期比約2倍と大きく伸ばしてきた。5000円台後半の壁を崩す夢を見たい。●穀物増産関連の日農薬(4997)は26週線を回復した。引き続き、200日線が下支えしている日本調剤(3341)などとともに「買い」注目を継続しよう。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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