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2011/01/20

◆世界株安連鎖で利益確定売りが広がった。日経平均は前日比119円安の1万437円と4日ぶりに反落し、TOPIXは3日ぶりに反落した。18日とは逆に、19日の欧米株式市場は揃って下げた。19日発表の米住宅着工件数が市場予想を下回ったことで米景気へのもたつき懸念が生じたうえ、米ゴールドマン・サックスGの決算に失望が広がった。そして、ここまで景気・企業業績を楽観視して上値を追ってきた市場に利益確定売りが広がったもの。日経平均の下げ幅が100円を超えたのは昨年大納会以来のことであり、本年初めだ。海外機関投資家の利益確定売りが出たと一部で報じられたがはっきりは分からない。が、出ても不思議はない。欧州財政危機は消えたわけではない。米国景気は期待過剰にならない程度の回復軌道にある。あとは、企業業績がそこそこ伸びてくれれば都合がよい。また、中国が午前中に発表した2010年GDP(国内総生産)は前年比10.3%増だったが、前日に10%超増加報道があり株価が上昇していたことから織り込み済みと見られた。加えて、人民元上昇懸念から上海総合指数が大幅安し、アジア・太平洋主要株式相場も揃って急落。世界株安の連鎖を背景に自力走行力のない日本株に利益確定売りが広がったといえそうだ。

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◆前号紹介のサイバー(4751)は前日に大幅高したとあって、当面の利益を確定する売りが出、20万円を割り込んでの終値となった。今月、昨年3月高値18.9万円弱を更新し、06年6月以来4年半ぶり高値に上げてきた。中長期上昇基調に転じたと見てよい。ただし、慌てることはない。全般波乱の色が濃くなれば買いチャンスは増える。また、20万円固めが終れば、上昇ピッチが加速するとみてよい。●14日付けで紹介のショーボンド建(1414)は高速道路の中でも、橋梁部分の補強工事が先行き追いつかないほどの劣化を背景にチェックを開始している。今週末は終値でも52週線をきっちり超えそうだ。2000円前後にあるホールディング・カンパニー転換後の上値の壁突破までは楽天的な予想はたてるべきではないが、一歩、前進する。

◆当欄注目株のひとつメッセージ(2400)が一時1.4万円強上げ、昨年12月高値24.5万円にあと3000円と迫る場面まであった。新たな材料はなかったもようだが、全般軟調展開が続いたなかも、低価格老人ホームで成長期待が高く、12月高値後は23万円を出入りする昨年11月後半以来のもみ合いゾーンでの頑強な動きが続いていたことから、見直し買いが入ったようだ。同社は入居一時金が無料で低価格帯の有料老人ホームを運営する介護事業者。市場が注目するのは、従来の特定施設「アミーユ」に加え、敷金、入居一時金なしで自立から要介護5までをケアする高齢者専用賃貸住宅「Cアミーユ」を今後の成長の柱として位置づけて展開していること。利用料は月額10万円〜17万円前後の負担で、利用料には家賃、共益費、生活支援サービス費が含まれており、利用施設により異なる。12月高値更新まではウォッチング、52週線接近なら押し目買いを考えたい。●スクリーン(7735)は上ヒゲの長い週足となるか、明日の終値に注目。前日つけた733円は8月27日の昨年来安値366円からちょうど倍加した水準。一服するにはきりがよい。やはり、いったん利益確定売りが正解か。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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