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2007/07/23

◆前週末の米国株大幅下落を受け、値上がり銘柄数223に対し値下がりは1430とほぼ全面安商状となり、日経平均株価は12日に次ぎ今月2度目の1.8万円割れとなった。しかし、アジア・太平洋17市場の星取表は違った。9勝8敗と勝越し、しかも、中身はというと、勝ち組にはインド、中国、香港、韓国、台湾など主要国が並び、下落組みには日本株のほか、オーストラリア、ニュージランド、シンガポールのほかは途上国が並ぶ。そして、情けないことに1%以上下げたのは唯一、日本市場のみ!なかでも新興市場は薄商いのなか換金売りに毎日値を消していくばかり。

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◆この日、市場をリードしたのは、三菱重工(7011)。新日鉄(5401)が964円の年初来高値を付けた後は3円高の958円引けとなったのに対し、三菱重は42円高の897円高値引け。2日間で102円高と考えられない軽快な値動きだ。これは、同社がこの日、原子力事業に関する説明会を開催。「10年後の原子力事業の規模を現在の3倍に引き上げるとの目標を示した」と伝わったことから、買いが膨らんでいった。なお、現在の原子力事業の規模は2000億円程度という。加えて、原子力発電関連部材でトップの日製鋼(5631)が、朝方から活況裏に全般急反落場面のなかを逆行高、133円高の2080円と高値引けで9日の上場来高値2025円を一気に更新したことも<原子力発電関連株>のリバウンド狙いの相場につながっていった。日製鋼の場合は、22日付の日本経済新聞に、「東京電力や新日本製鉄など取引先大手企業に対し合計20%分程度の出資を要請、安定株主づくりを進める」と報じたことが手掛かり材料だ。世界的に原発需要が拡大し、外資やファンドによる買収の可能性が高まるなか、経営基盤を強化する。結果、浮動株数が減少し需給が好転するためこれを好感した買いが優勢となったのだ。好業績を得た原発関連思惑株の木村化工(6378)、原発用歯車装置とメンテナンスで先に大幅高を演じた日ギア(6356・東2)の2社株はストップ高に買われ、原子力関連株人気が広がっていった。このことは、本欄でも予想していたこと。

◆前週末20日につけた2205円の上場来高値更新をうかがう格好となっているのは名村造船所(7014・大)。前07年3月期連結決算の大幅増収増益に続き、今期も前期比10%増収52%営業増益と売上高から純利益まで連続で過去最高を更新する見通し。予想1株利益は90.9円だが、増額修正余地がある。株価評価が一気に変わる1株100円時代入りが目前だ。海運、造船株人気は強く、まだまだ、上値を追う展開が期待できそうだ。ポイントは、伊万里造船所でうかがうことができる。鋼材の入荷から陸上組み立て、2方向に出入り口の付いたドッグまでクレーンで一貫作業が可能な高生産性にある。海運、造船株人気は強く、まだまだ、上値を追う展開が期待できそうだ。ここは押せば買え、高値抜けば買えの強気で臨みたい。

◆今週の中期狙い株は、26日に1Q決算発表予定の日立工機(6581)。中世期の街・建物の欧州にも新しい住宅需要が増加し電動工具が伸張。2400円台の上場来の上値関門に挑む。●小糸製作(7276)はヘッドランプにLED(発光ダイオード)を世界で初めて使用。1株利益100円時代入りで新たな評価時代入りと見てよい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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