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2010/05/21

◆5月第3週末の東京株式市場で、日経平均は前日比245円安の9784円と大幅安した。前場後半には9696円まで下落し2009年12月2日以来の9700円割れとなった。また、終値で1万円を割り込んだのは2月10日以来のことだ。20日の米株式市場では、欧州債務危機の拡大に加え米新規失業保険申請件数の増加をみて、ゆっくりだが着実な世界経済の回復期待を買ってきた相場に疑問符が点灯しはじめたとの懸念から、NYダウは構成銘柄30が揃って2%以上の大幅安となり、376ドルの大幅下落で終った。東京市場もまた売りが殺到、TOPIX全33業種が揃って下げ、年初来安値更新銘柄数は前日比280増の392銘柄となった。■日経平均は週初め17日に200日移動平均線を割り込み、結局、今週は一度も200日線を回復することはなかった。また、昨年11月最終週末に割り込んだことがある中期相場の方向を示唆する26週移動平均線に対し、6.4%の大幅マイナスかい離で週末を終えた。昨年11月には翌週から海外勢の猛烈買いが連続し1月高値に向かって活況裏に急騰していった。が、今回は海外勢も自国マーケットが厳しいとあって、今回の期待度は低い。日経225種の今期予想1株利益は20日現在574.8円まで上昇してきた。が、今週は決算発表一巡から増加ピッチが大きく低下した。20日現在の予想PERは17.4倍だが投資家心理が大きく低下しているなかでは、下値を支える力は限定されよう。■直近では、東京市場は、国内要因ではなく欧州債務危機や米国経済動向、中国の金融政策動向が決定権を握った相場が続いている。しかし、欧州事情に灯りがちらつき始めるまで今しばらくは、方向感のない相場が続きそうだ。もっとも、大いなる失望は、大いなる楽観につながる!?上昇基調へ転じるとのそれなりの確信を得るまでは、基本ウォッチング継続としたい。

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◆シミック(2309)が330円高の2万4420円と続伸した。売り一巡後に上げに転じた。好業績の割安・後発医薬品関連株として見直し買いが流入した。製薬会社向けを主体とする臨床支援大手だが、後発医薬品など医薬品の受託製造も手掛けていることから、後発医薬品関連株としてあらためて人気を得そうだ。4月下旬には、今10年9月期上期連結業績予想の大幅増額修正を発表。26日には28万3400円の8カ月ぶり高値水準を付けた。その後は、欧州の債務危機により内外株式相場が波乱するなか同社株も下げに転じていたが、4月に24カ月線を上抜き、中勢上昇基調入りが鮮明化しつつある。ウォッチングを開始、24カ月線を割らないとの感触を得たところから買っていきたい。

◆先に紹介した雪国まいたけ(1378)が変わらずを挟み8日ぶりに反発した。6週線沿いの上昇基調が続いているが、相場大荒れ時には13週線の484円、26週線の451円まで突っ込んでもよいはず。久々に増益基調が鮮明化した、予想PER13倍台と割安感が強い銘柄、中長期見直し相場を期待してよい。

◆日本調剤(3341)は一時2651円と250円弱下げたが、終値は2805円。14日3250円からの調整が予想されるが、ここからは26週線、200日線に接近する軟調局面から強気したいもの。といっても、少々下値過ぎるかも知れない。まず、ウォッチングを開始しよう。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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