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2015/09/09

◆日経平均株価は前日比1343円42銭(7.71%)高の1万8770円51銭と大幅反発した。中国政府が前日に声明を発表、財政施策を積極化させとの観測が広がった。7%超の急騰は、直近で下げてきた反動ではあるが、前日の欧洲市場の続伸、NY市場の急反発に反応し東京でも売り攻勢にたじたじとなってきた東京市場でも、朝方の円高発進のなかも買いが先行、一気に1万8000円台を回復、引けにかけてさらに上値を伸ばし、8月31日以来の高値水準まで戻した。もっとも、中国政府からの具体的な景気政策は不透明。それでも、この日の9月下げ分の大半を一気に埋めたことは、日本株売りなど世界マーケットで売り急いだ投機マネーに対する空売り抑止力となるとも考えられる。今夜の欧米株式・金融市場の反応や如何?明日以降の東京市場回復持続には、ここまでスパイラルに下げてきた世界の金融・証券市場のポジティブ状況の継続が不可欠。海外勢の売り方の買い戻しに加え、新たな投資資金の買いが必要だが、まずは、大幅に下げた後の戻りを試す動きに期待。

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◆電通(4324)が610円(10.7%)高の6310円と大幅続伸した。全般続落基調の7日には長期相場を示唆する200日移動平均線を瞬間割り込んだ。しかし、その直後から切り返してきた。7日発表の8月度単体売上高は前年同月比15.2%増の53.38億円と好調だった。8月に付けた年初来高値7290円(権利落ち修正後では過去最高値!)から24%の大幅下落となっていたこともあり、全般急反騰展開のなか見直し買いが広がった。同社が8月11日に発表した2016年3月期第1四半期(4-6月)連結決算(国際会計基準)では、売上高が前年同期比14.9%増の1720億円、営業利益は同23.4%増の122.54億円と2ケタ伸長。税引け前利益は同66.4%増の107.29億円と大幅に拡大し、通期計画に対する進捗率は16.2%となった。地域別では国内事業の売上総利益は前年同期比2.3%増の741.90億円にとどまった。一方、海外事業は、米州が同45.9%増の327.33億円、アジア太平洋は42.0%増の235.14億円とそろって大幅増となり、欧州・中東・アフリカ(EMEA)は9.4%増の307.09億円と伸び、小計29.7%増の869.57億円となり、同社売上高の54.0%を占めた。海外でのM&A(合併・買収)戦略遂行の実が結んだ格好だ。内需株としてではなく海外でも稼げる企業になったことを評価する時代を迎えるか?期待して注目したい。

◆キリン(2503)は75.5円高の1692円と4日ぶりに反発。前日の5月7日以来の安値から回復、同時に昨秋来の下値サポートラインである200日線も前日1日で回復。週足ベースでは52週線にタッチせずに「下ヒゲの長い小幅陰線足」となり、週明け相場での反騰展開を期待させる格好となった。この日、一部報道で、「選挙権年齢が18歳に引き下げられることで、飲酒解禁年齢を18歳に引き下げる案が浮上している。自民党の特命委員会が選挙年齢が18歳に引き下げられることで、飲酒、喫煙に関しても現在の20歳から18歳に引き下げる案を要請する方針が伝わった。」とあった。株式市場では顧客層の年齢制限が2歳引き下げられることにより、販売増につながる期待材料との見方もある。全般相場が回復となれば、騰勢に弾みが付きそうだ。サッポロHD(2501)、アサヒHD(2502)などと共に注目されそうだ。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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