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2010/06/17

◆日経平均は67円安の9999円40銭と6日ぶりに反落し、前日に回復した1万円をわずかだが割り込んで終った。前日も指摘した欧州ソブリン債リスクという間欠泉がスペインで吹き上げ、ユーロが売られ、NY株式市場ではダウ平均は小幅続伸したものの、5月住宅着工件数減や直近の急騰を見た利益確定売りが優勢となり下落銘柄数が多く、S&P500種指数は反落した。東京外為市場では円が対ドル、ユーロで円高に振れ、前日までの相場を牽引していた電気、機械、精密、自動車など輸出関連セクターが利益確定売りからTOPIX値下がり率業種上位に並んだ。「52週線に下支えされ、26週線突破が期待される」と前日に紹介した輸出関連や半導体関連銘柄はそろって下げてしまった。ただ、いずれも、チャートはしっかりしており、引き続きウォッチングを継続、移動平均線沿いの上昇基調から踏み外さない限り、タイミングをはかって買いで参戦したい。

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◆16日の欧州間欠泉小噴火は、スペイン、ポルトガルにあるマグマ溜まりからちょっぴり噴出した程度のもの。スペイン以外にも噴出の時を待って地下のマグマ溜まりがうごめいている国は多い。世界景気回復基調が続く、いや、続きそうにないとの楽観と悲観の綱引きは当分終りそうにない。いずれにしても、大噴火だけは御免だ。現在の日本市場は残念ながら自力走行が出来ず、米国株式相場次第。日経平均1万円台回復までは、マイナス材料よりもプラス材料に目を向け突き進んできた。が、1万円台前半にあるテクニカルなハードルを超えるには、余分な脂肪はそぎ落とし、何度かアタックを繰り返し突破するしかない。

◆前日にかけ年初来高値を更新してきたアルプス電(6770)が急反落した。前日に携帯電話端末で世界最大シェアのノキアが利益予想を減額修正したことを受け、ノキアへの依存度が高い電子部品株として日写印(7915)、ヒロセ電(6806)などとともに売りが先行した。ノキアは高性能端末市場での競争激化や市場シェア低下やユーロ安などが減額の主因のようだ。一方、アップルは5月後半のiPadに続き、来週24日には日米など5カ国で携帯電話iPhone4を発売する。どちらも販売するソフトバンク(9984)の株価は、52週線沿いの上昇基調が続くなか、1月に付けたほぼ2年ぶり高値2485円が目前となってきた。全般気迷い気分が強いなかでは独立峰の同社株は独自の相場が発展する可能性は高い。もう一段上があってもおかしくない。

◆さて、日製鋼(5631)が10日の3カ月ぶり安値788円から前日には900円高値引けまで戻したものの、きょうは急反落となった。単なる利益確定売りというよりも、日風開(2766)関連株として売りが膨らんだもの。日風開は過年度決算の見直し、監理ポスト(確認中)割り当てが嫌気されて3日連続で、ストップ安売り気配、大引け比例配分となり、きょうは1234株の売り注文を残した。その株を2.2%、333万株保有し9位の大株主であるとして日製鋼に売りが広がったのだ。株価は08年6月に過去最高値を付けて大天井を打った銘柄。厳しい下落途上の相場に手は出せない。ただ、世界が認める原子炉容器などの技術力は買える。底まで転げ落ちた時、何が始まるか、何も始まらないのか見てみたい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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