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2011/11/09

◆日経平均は前日比約100円高の8755円と3日ぶりに反発した。ギリシャ危機はとりあえず一段落したが、イタリア国債利回りが急騰して欧州債務危機は早くも第2幕を明けるのか、と7日には悪役となっていたイタリアで、ベルルスコーニ首相が「財政安定化法案」成立後に辞任すると表明したことから、財政再建が進展するとの期待が広がり8日の欧州株は3日ぶりに反発し、米国株が続伸したことから買いが先行した。ただ、オリンパス(7733)ショックが尾をひいているうえ、円が東京外為市場で一時1ドル=75円57銭と10月31日の政府・日銀の円売り介入後の高値を付け、後場前半に上げ幅を急縮小する場面があった。

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◆トヨタ(7203)が今期業績予想を白紙化するなど日本企業の業績への信頼感・期待感が後退していることが投資意欲を削いでいる。ただ、中国の10月消費者物価指数(CPI)上昇率が5.5%に低下するなど、金融緩和にむけて条件づくりが進んでいることは先行き好材料となりそうだ。きょうは一時予想外に中国株が軟化する場面があったが、その後、引けにかけ上げに転じたことが東京市場を後押し、日経平均も引けにかけ上げ幅を拡大していった。もっとも、イタリア債務問題など欧州財務危機については先行き根気のいる展開を予想していたほうが、逆向きに転じた時にあわてなくてよい!「すでに株価に織り込み済み」と言える日はあすあさってではない?

◆引き続き注目するのは、やはり、テクニカル面で腰が強く、8月の暴落の壁をよじ登る構えにあるNYダウの動きだ。10月27日の戻り高値1万2284ドルに対し、1日に1万1630ドルまで下げたが、8日は1万2170ドルへと切り返し、10月高値にあと110ドル強だ。より長期相場をみる週足ベースでは、3週連続で26週線、52週線を上抜いており、強気相場を示唆しつつある。住宅・雇用問題はまだ問題が残っているが、金融緩和と好調な企業業績を背景に買い方は強気を崩していないようだ。一方、日経平均の週足チャートは悲惨?26週線は9205円に、52週線は9600円にある。一方、下値サポートラインはまだ見えてこない。それでもと探せば、10月31日の戻り高値9152円をクリアすれば、10月5日安値8343円を大底とした、左に8月22日安値8619円、右に今月2日安値8640円を配した「逆三尊」底が形成され、NYに続いて「8月の壁」への挑戦が期待できる格好となる!

◆マクドナルド(2702)が8日に発表した10月度の既存店売上高は前年同月比1.5%増だった。9月に4.8%増となった時の前年9月実績は2.3%だったが、昨年10月は5.1%増だったことから、10月はマイナスになる可能性有りと先に記したが、健闘したといえる。特に、1店舗当たり売上は5.4%増と高かったことは注目されてよい。小さな店舗を閉じ、ドライブスルー店や全商品を扱える店舗つくりしていることが奏功している模様。期間限定メニューの効果もあったという。11月は前年が1.4%減とハードルが低く増収幅は拡大しよう。もっとも、12月度は前年が11.6%増だったからマイナスは必死か?同社のキャンペーンに注目したい。週足方向性をチェックしつつジリ高基調が続くなかでは「買い」を持続する。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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