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2008/01/09

◆日経平均株価が続伸した。8日の米国株大幅反落に前日一息ついた格好の国内投資家はスワツ暴落かと青ざめた9日の相場だが、結局、前場寄り付き直後に257円安の1万4271円の昨年来安値をつけたものの13時過ぎに上げに転じ、引けにかけ上げ幅を拡大した。一時1万4600円をわずかながら上回る場面もあった。この日、遅れて取引が始まる中国、香港がマイナスタートからやがて上げに転じる次第高となり、韓国、台湾、シンガポールなども同様の動きとなった。アジア株が上げに転じたことが追い風となった。朝方の外国勢の注文が小幅ながら4日ぶりに買い越しとなり、オイルマネーや中国の政府ファンドの買いなどとの観測があったほか、国内勢では年金の買いが噂されていたとの声も聞かれた。「米大統領予備選で緒戦に大敗した民主党クリントン上院議員がニューハンプシャー州で事前予想を覆し接戦を制したことも、未知の大統領よりもいいとの見方につながった」という見方まであった。

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◆さて、悲観のなかだが、年明けの下げで、日経平均は昨年7月以降の短期三段下げが完了した可能性がある。三段下げ完了の確定には最低でも日経平均が12月7日の戻り高値1万6107円を上抜く必要がある(TOPIXでもほぼ同じパターン)。8日の米国株安は、発表された11月の中古住宅販売成約指数が予想以上に低下、個人消費の鈍化懸念が嫌気されたものであり、サブプライムローン問題が現実化してきたことにある。「不安の正体がわからない」ことが株価に最悪状況を招くが、一方、「不安の現実化」は厳しい現実ながら目に見えることから、株価には先に織り込まれたことになるはずだ?

◆中東関連株として前日、大成建(1801)、大林組(1802)などを紹介したが、この日も続騰。枠外とした清水建(1803)などは12月戻り高値を抜き、大林組に続き、鹿島(1812)とともに中勢波動を見る75日移動平均線を上抜いた。中東政府ファンドから見れば、ソニー(6758)など世界ブランドとともに自国のインフラ整備で見かける日本のゼネコン大手はよく知った会社となる。●サウジに強いプラント大手の日揮(1963)が、今春をメドに設計から一貫受注する新会社を設立すると今朝の日経新聞朝刊が報じ、反発した。上値にシコリを残す同社株が上昇基調に転じるならば、中東関連株人気は一段と強まろう。●日揮同様にサウジとの関係が深い住友化(4005)は昨年4月と11月に1050円を上回ったが、1988年6月の上場来高値1160円を抜くには至らなかった。09年3月期業績は増益に転じる見通しにあるうえ、サウジ絡みの優位性が注目されるPER割安銘柄だ。先行き上場来高値更新を視野に入れた相場が期待できそうだ。

◆さて、当欄注目株の国内ゴルフ運営最大手のPGGIH(2466)が11月20日の上場来安値8万6500円を基点とした上昇基調入りを鮮明化しつつある。この日は、7800円高の10万7000円まで買われたが、終値でも75日線を上抜いた。10万8600円となれば長期上昇相場を示唆する200日線突破となる。●インフルエンザ関連の好需給低位思惑株株ダイワボウ(3107)を目先注目株、PGGIHを短・中期注目株としたい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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