2007/03/15
◆反発。TOPIXの業種別指数33のうち下げたのは4業種のみ。本欄長期推奨銘柄の日水(1332)が属する「水産・農林業」のわずかな下げとANAの胴体着陸が響いた「空運」や「サービス」、そして、「銀行」だ。■この銀行株、この日は、みずほFG(8411)が連日で、三菱UFJFG(8306)が昨年11月以来とそれぞれ昨年来安値を更新した。三井住友FG(8316)はあと1000円で昨年6月の昨年来安値に顔合わせする水準まで下落した。動きの鈍い銀行株への見切売りが広がった。米国景気動向や国内景気とも芳しくなく、金利が上昇しにくい環境となっており、銀行の利ざや改善が見えにくくなっていることが嫌気されているためだ。銀行株に関しては、「大手銀の月足チャートが悪化しつつあるなど気に食わない動きではあるが、長期的には買いセクター」との見方を崩す必要はないとみている(本欄13日号のHSBC証券の見方参照)。
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◆この日、アジア16(開場)市場中、下落は3市場のみ。日本は新興市場に閑古鳥が鳴く中、東証1部市場は大型株などが大活況。日立(6501)は、本欄2月26日の見方に近いものが、この日付けの日経金融新聞「スクランブル」で詳細に記されているが、この日の終値では新日鉄(5401)にわずか1円及ばないだけの856円だった。日本サーボを売却したことでようやく、「日立も事業の選択と集中に注力し始めた」と認識された結果であろう。一方、新日鉄は740円を転換価格とする優先株(転換後に普通株式が4億株増えるという。現在は68億株の発行済み株式数)の存在を懸念する声も聞かれ始めた。が、長期にわたり市場を牽引してきた疲れもある。
◆調整が欲しい新日鉄に代わる市場牽引役はこの日60円高した三菱重工(7011)であろう。米電力大手からの原発建設受注が内定したと前日発表したことが投資家を走らせ、値上がり率6位、出来高トップとなった。つれて、前号で紹介したような原発関連銘柄が人気化していった。同関連の思惑では、重工の製品を日本の東西に分かれ販売している三菱系商社の西華産(8061)と東京産業(8070)に注目。●筆者の本年公式注目株・東芝プラシス(1983)は前日引け後の今期業績・期末配当予想の増額修正発表が利き、昨年2月以来の高値895円まで買われた。昨秋来、13週移動平均線に下支えされて上昇基調を継続しており、4ケタ回復を意識した展開が続きそうだ。
◆この日の注目株は、中長期線がゴールデンクロスし400円台前半の壁に挑む神鋼商事(8075)。そして、高値圏で頑強な展開が続いており、欧州発世界拡大の自動車環境規制強化が追い風となるイビデン(4062)。●3200円台前半にある200日線や52週線水準が押し目買い水準となると見ているのはヤマハ発(7272)。ヤマハ(7951)がもつ同社株式はそれほど遠くない持間に、どこかに移動すると見たほうが自然だ。川上源一氏がなくなった以上、株券は、同社のエンジンを供給するトヨタとかあるいは第三者に移動すると考えたほうがよい。