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2011/12/29

◆東日本大震災後、見直された人のひとりに作家の故吉村昭さんがいる。「三陸海岸大津波」の著者で1960年代前半から岩手県田野畑村をはじめとした三陸海岸を毎年のように訪れ、大津波について調べ、書き、語ってきたからだ。筆者の場合は観光旅行で三陸海岸を知っているくらいであり、大違いだ。ドライブ三昧の証券会社員時代、ゴールデンウィークに十和田湖まで行った後、八戸に降り、岩手県、宮城県の三陸沿岸を車で南下し福島県いわき市の定宿としていた民宿までゆっくり7日間かけて走り、あちらこちらと散策。落差のあるリアス式海岸に驚き、町の中の食堂で食べた魚のおいしさに感動した・・というもの。

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◆最初に吉村氏の著書に出会ったのは「漂流」(1975年刊)という遭難物。海で楽しむには、松山までバスで1日がかりでなければならない筆者の山村での中・高校生時代、各種冒険譚は手放せなかった。なかでも、海で漂流して無人島にたどりつき、いかにして生き抜き、生還(あるいは途中で挫折)するかの物語が大好きだった。今も、毎年、夏になれば、ジュール・ベルヌの「神秘の島」など漂流譚を引っ張り出して読んでいる。そして、「漂流」(18世紀後半、船が漂流、今ではアホウドリの島として知られる鳥島に12年間住み、只一人生還した記録に基づき物語化)に出会った。その後、読んだ「関東大震災」では、地震そのものよりも、自警団の狂気についてきっちり描いていたことに震えかつ感動した。吉村氏の取材は徹底的だ。こつこつとひとつひとつを調べ尽くすのだ。三陸津波はまたおこると語ったのは12年前のこと。この冬は「大黒屋光太夫」を読むことにしている。かつて井上靖「おろしや国酔夢譚」で読み、椎名誠の「シベリヤ追跡」で読んだ漂流譚だ。かつて映画にもなったという。江戸時代18世紀後半に伊勢を出た後、漂流した船頭達の話しで、ロシア皇帝にも謁見し、帰国した光太夫を聞き取りした資料が残されたことから、様々な形で描かれてきた。吉村版光太夫はいかに描かれたか?

◆さて、明日は大納会。筆者の証券時代の1989年12月29日大納会に付けた3万8915円が今も日経平均の過去最高値であり、未だ、長期下落基調から逃れていないことは、当欄で繰り返しいってきたこと。29日終値は89年大納会のわずか21.6%でしかない。ちなみに、昨年末比18%マイナスだ。新年も引き続き「戻り売り」が基本。中・長期上昇基調の銘柄は下値サポートライン前後での押し目買いを基本としている。■マクドナルド(2702)は反発した。が、昨日の下げで、日足の「窓」51円が開いたことはいかにも大きい。1月10日頃発表の12月度既存店売上高発表までどこまで株価ががまんできるか、月次が当欄予想のように芳しくなかった場合の処理も大事となる。●一方、前日も記したコスモス薬品(3349)はきのう引け後に今期業績予想を増額修正していた。買い気配で始まって知ったもの。一時9月30日以来の4000円台回復。でも、出来高は5万株強。しかし、週足・月足チャートは抜群に良い。新年の見直し相場に期待。●埼玉から北関東に展開する中堅スーパー・ベルク(9974)も11月高値を一時突破。増益ピッチ拡大の高営業利益率銘柄であり、ぜひ見てほしい26週線沿いの上昇基調銘柄。新年に出来高増となれば、10月高値突破、一段高が期待できる。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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