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2006/10/27

◆米国株高を背景に買いが先行した週末相場は高値警戒感から戻り待ちの売りに押される展開に変わり、この日の安値近辺で終った。寄り前に発表の9月消費者物価指数(PPI)が市場予想を下回ったことや、本格化した9月中間決算及び通期業績予想が慎重すぎることなどが売り材料視された。■また、新興市場の体温計である楽天(4755・ジャス)は24日に12日最安値から49%上昇となる5万5000円の戻り高値を付けた後は上値がきり下がる展開となっており、ジャスダック平均、マザーズ指数とも下落、ヘラクレス指数は大幅に下げており、週明け以降を展望するとき、戻りの鈍さが懸念される。■また、今週の日経平均週足は、先週の12円の陰線に対し、28円の小幅陽線となった。これを見て、上値の重さを気にする向きが多い。一方、NYダウは連日の史上最高値を続け、ナスダック総合株価指数が01年2月以来の高値となってきた。アジア市場では、インドが過去最高値にあり、香港もそうだ。また、シンガポールは5月高値を突破している。が、台湾、韓国が5月高値回復に至らず、日本も4月高値を突破するに至らず東アジア3カ国の出遅れ感が目立つ。市場では、日経平均の上値の重さや新興市場の戻りの鈍さなどへの警戒感が強い。しかし、世界同時株高のなか、出遅れ市場として日本に資金を振り向ける動きは続いている。皆と同じように安値で泣く必要はない。これまで繰り返し指摘してきたように、高値警戒心はあって当然だが、テクニカル面では長期上昇トレンドを継続しており、下値サポートラインは強力だ。無用な弱気は禁物だ。

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◆この日、TOPIX業種別株価指数で値上がり率トップになったのは、輸送用機器。すなわち自動車&その関連株だった。国内は軽自動車の場となっているが、米大陸ではビッグが苦戦するなか日本車の米国シェアが高まるばかり。欧州ユーロ高円安も利益を押し上げている。日産自(7201)は唯一中間決算苦戦組だが、市場は先行き好望視される面を見ようとして買いが先行し6日続伸した。そしてトヨタ(7203)、スズキ(7269)は上場来高値を更新し、年初来高値更新銘柄も相次いだ。本欄では、04年央から、「アナリストは日本の自動車の株価はを正当に評価していない。電機・電子機器・部品関連株のPER21〜25倍に対し自動車関連株はPER12〜15倍が妥当なんておかしい」と指摘してきた。が、ようやくエレクトロニクス業界への評価がひところより落ち込んできた。賞味期限切れの会社がゴロゴロ出現しており、企業淘汰の時代入りが一段と鮮明化する。ここから、M&Aの狩り場となり、思惑相場の中核になる可能性もあるといえる。来年4月からは、外資系企業による日本企業買収に株式交換が認められることも追い風だ。

◆04年来、次世代成長企業・成長株と「中長期強気」推奨してきたデンソー(6902)だが、4月の上場来高値に急接近してきた。26日に、世界最大の自動車部品メーカーのドイツボッシュ社とディーゼルエンジンの排ガス浄化用フィルター(DPF)開発・生産で東欧に新会社を07年に設立すると発表したことが手がかり。●前日の取引時間中の決算発表の三菱鉛筆(7976)は急反落したが、割安感強く中期強気を継続。引け後発表組の山九(9065)は725円高値引け。年初来高値825円への挑戦に期待。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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