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2006/07/21

◆前日の急反騰シーンなどなかったかのように、週末21日の東京市場は沈黙した。1部市場の売買代金は今年最低となった。20日の米国株が急落したからだ。引き金となったのは、半導体世界最大手のインテルと米自動車ビッグ3の一角フォードの決算悪。「インテル株の急落でハイテク株の多いナスダック総合指数が大幅に下げた」結果、東京市場も下げた。しかし、「インテルの業績悪化の発表」は19日の取引終了後のことであり、きのうの朝、東京市場が始まる前に「情報」として届いていた。日本の投資家は「情報」として知っていたはずだ。なのに、きのうは買って、今朝になって米国株安をみてからあわてて売りに走った。ちなみに、インテル株は年初来31%も下げており、NYダウ平均採用の30銘柄中値下がり率トップだ。そしてインテルを含む半導体株の指標であるSOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)の21日終値は404.13ポイント。これは、過去52週間、つまりこの1年間で最安値なのだ。昨年11月から今年2月にかけ東京市場で、東京エレク(8035)やアドテスト(6857)など半導体関連株やハイテク株が大相場になった背景には受注の好転に伴う業績拡大期待があった、加えて、同時期に米SOX指数が3割高し欧米投資家を東京市場に呼び込んだという事実が重なったもの。現在、日本の半導体関連株の投資環境は、受注が順調なほかは条件が厳しくなっておりリスクがやや高い状況にある。■ちなみに、20日の米株取引終了後発表した米マイクロソフトの4〜6月決算は24%の減益だった。しかし、400億ドルの自社株買いを発表したことから、21日の東京市場寄り付き前には時間外の株価は大幅に上昇していた。また、グーグルの20日引け後発表の決算は大幅増収増益だった。時間外取引で上昇した。けれども、21日の東京市場は、前日の朝とは異なり、20日の米国株安をみて、マイクロソフトやグーグル高を無視した。前日、急反騰したことから戻り待ちの売りなどが先行しやすくなっていたからかもしれないが、相場の方向性に不透明感が強いことの証明となった。

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◆週明けは4〜6月期決算発表のピークを迎える。セクターよりも個別企業の決算の数字・内容に着目した展開が続きそうだ。米国発の注目経済指標は8月4日の雇用統計、8日のFOMCということで、来週の米国もまた企業業績動向が最大の注目点となる。●きょう引け後発表の東京製鉄(5423)は売上高が減少し経常利益は46%減で通期計画の22%にとどまった。ただ、製品出荷単価の上昇が見込まれるとし通期予想は据え置いた。市場体温計銘柄の新日鉄(5401)は再来週31日の決算発表だが、東京製鉄が想定値を下回ったことはちょっぴり嫌気される?●任天堂(7974)が5日ぶりに2万円台を回復した。18〜19日の全般軟調展開のなかでも瞬間25日線を割り込んだだけで週末高に持ち込み10日につけた02年3月以来の高値2万1090円に迫ってきた。13週線を下支えに昨年9月からの上昇基調を続ける背景に業績への期待感から継続買いする海外投資家の姿が見え隠れする。●このことは、本欄注目の日水(1332)にも当てはまる。きょうも逆行高し3日続伸した。600円とび台の92年5月以来の高値更新からもう一段上を目指す展開が続きそうだ。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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